霧の獣
《ドクン、ドクン》
眩しい光と共に俺の身体の中に
“何か”
が流れ込んでくる。
懐かしい・・・。
今まで忘れてしまっていた感じがした・・・
すると、珠にあふれ出していた光が急に弱くなり
やがて消えた。
俺はふと自分の姿を見て驚いた。
「一体俺は??この姿は?何なんだ!?」
と俺は叫んでいた。
〈それはあなたの真の姿・・・。
炎龍【えんりゅう】。
やはりあなたで間違っては居ませんでした。〉
炎雅は言う。
ふっと、またあの光が俺を包み込み消えた。
気付くと俺は元の姿に戻っていた。
俺の意識はまたそこで途切れた。
目覚めると、俺は炎雅の目の前に倒れていた。
〈我の力、炎の力は確かにお前に与えた。
さぁ、一度村に戻るべきだ。〉
炎雅は言った。
「俺は・・・龍だったのか??」
俺はあの姿が気になって聞いた。
〈炎龍、それがお前の真の名であり、真の姿だ。〉
炎雅は言った。
俺はそれだけ聞くと、黙ったまま部屋を後にした。
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