霧の獣
村長の元に着いた俺と未夜さんは
静かに戸を開けて中へ入った。
中にいた使いの人に案内され
俺と未夜さんは村長の部屋に入った。
村長は驚いた様な目で俺を見据えて
信じられない様に言った。
「無事だったのか?」
俺はその質問に静かに頷く。
未夜さんは言った。
「村長見ての通り、竜人の方は見つかりましたが
・・・夢人はまだ・・・。」
夢人さんの言葉に村長は頷き言った。
「わかっておる。
しかし、村中何処を探しても居ないと言う事は・・・
おそらく森の方に行ってしまったのではないか・・・」
と、言ったきり黙ってしまった。
「俺が夢人を探して村に連れ戻します。」
俺は沈黙を破って村長に言った。
村長は驚いて俺を見つめる。
「ちょっと待て竜人!」
未夜さんが会話を割ってはいる。
「死んでしまうかも知れんのだぞ!?
それでも良いと言っているのか!?」
村長は言う。
「はい、もちろん全て承知しております。
夢人は俺にとって唯一の友でした。
その友をなくして今の俺は存在しません。」
と、俺はこたえる。
「良かろう。
お前は夢人をよく知っている。
見当の方はついておるのだろう?」
と、問いかけてきた。
「はい。絶対に連れ戻します。」
俺は言った。
「長蛇さんっ!
夢人捜しを竜人1人に任せるんですか?
良案とは思えません!」
未夜さんは言う。
「まぁ今日は遅い・・・。
お前達も夢人を捜しておったのだろう?
今日は休み明日全てを決める事にしよう。」
それだけ言うと村長は、
未夜さんと俺にさがる様に指示した。
未夜さんと俺は頭を下げて
無言のまま部屋を後にした。
家に戻り眠りにつく俺。
俺はその日、これまでにない程深い眠りについた。
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