霧の獣


しかし、そこには夢人の影も形もなかった。



部屋の窓は開け放ってあり、
ここから夢人が出て行ったのは間違いなかった。




(夢人の奴、こんな時間に一体何処に行ったんだ!?)
俺の脳内に色々な場所が浮かぶ・・・。



そんな時、どこからか声が聞こえて俺に何か言ってきたんだ。
『森・湖・・・・・・・す。』
今にも消えてしまいそうな弱々しい声で・・・。



「え?」
聞き取れなかった俺は驚きながら聞き返すように言った。




『森の湖の所に居ます。』
今度ははっきりと聞こえた。



(でも何で森になんか行くんだ?)
俺は考えたか見当なんて付くわけがなかった。



(とりあえず、急いで連れ戻しに行かないと!)
俺はいつも使っている鞄の中に
ナイフと薬草を詰め込んで家を出たのだった。






(無事でいろよ夢人!!)
と、願いながら・・・











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