カフェオレ
では、と私は言葉を繋ぐ。
「では、なぜ奥さまとご結婚なさったんですか?」
五十嵐さんは、古いアルバムのページをめくる時みたいな懐かしそうな顔をして、そっと答える。
「僕の残りの人生は、この人と一緒に生きようと決めたから…でしょうか。」
そうして五十嵐さんはゆるく微笑んだ。
残りの、人生。
その時はそう思っていたって、生きていくなかで人は変わる。
私だって遥斗と一緒に生きたいって、そう思っていた。
一緒に居たくて結婚を決めた。