カフェオレ
「上手くいってないのか?」
目を合わせないで、叔父さんは私に問い掛ける。
何てことのないように、さらりと聞いてくれる叔父さんは優しい人なのだ。
私は再びティースプーンでカフェオレをくるくると混ぜながら、ん〜、と唸った。
「分からない。馬鹿だから、考えると疲れる。」
淡々とした口調で答えても、叔父さんはいちいち気にしないで居てくれる。
私はカウンターに備えてある角砂糖を一つ手に取り、指でもてあそぶ。
「遥斗、私に無関心なの。」
ぽつりと呟いた私の声は、店内に静かに流れるジャズのBGMより小さく響いた。