joker ~欠片~
〈禁断の国へ〉
姉からの招待状
3年前、姉が失踪した。
その日はいつも通りの1日だった。
しかし、日が暮れても、日付が変わっても、姉が帰ってくることはなかった。
彼女は『家出』したと判断された。
でも私は姉が『家出』するなんて考えられなかった。
優しい姉、家族想いの姉、自慢の姉
そんな彼女が『家出』するなんて…。
まして、妹の私に何の相談も無しに…。
姉の失踪が『家出』と扱われたことに、私は納得いかなかった。
私以外の家族もそうだった。
彼女のいなくなった我が家からは笑顔が消えた。
家族揃って、食事をする事も。
何もかも、変わってしまった。