joker ~欠片~
「でも肝心な本人を落としちゃったんだろ?」
「穴の中で嵐に襲われたんだよ。」
「は!?」
先の通りユリアスが穴もその終着点の暖炉も管理している。
「そんなこと、有り得ない。」
「……だったら、やっぱりアイツの仕業だ。もともと俺に連れてこさせるつもりなんか無かったんだな……くそ」
「早く彼女を探さなきゃ!!」
その時ユリアスの家の扉が勢いよく開かれた。
黒いメイド服の女……ってことは
「帽子屋の使いか」
「本日、クロード様のお屋敷でお茶会が開かれます。とても大切なお茶会です。リード様必ずご出席お願いします。」
「お茶会?……じゃあ、まさか」
キイはクロードのとこか。
「良かった、まだ安心じゃないか。」
「良くない。俺はクロードが嫌いだ、殺したくなる」
メイド服の女とユリアスは苦笑いをし、メイド服の女は俺達に一礼すると忙しそうに去って行った。