ベニとでも名付けよう


バスは相変わらず森の中を揺れながら進んだ。


少しいりくんだ山道になってきた。


私たちは遠心力で体を左右に振りながら、宿に向かう。


バスが一際暗い森に入った。風が木々を揺らし、そこからレトロな木造の建物が顔を覗かしている。


私たちはその建物の前でバスを降りた。



森の隠れ家。


そんな宿だ。

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