ベニとでも名付けよう
温泉からあがると赤ら顔の私たちは夕飯を食べに宿に戻った。


何事もなかったのように。


何があっても明日は来る。


地球が滅びても、宇宙のどこかで明日は来る。


私たちのもとにも朝がきた。

まぶしい日光は窓を突き抜け、私に届くか届かないかぐらいに侵入している。


ベタなドラマの早朝シーンのように、小鳥たちはさえずった。


間違いなく17年間生きてきて一番気持ちのいい朝だった。
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