五人の王子に仕えしは
序章
序章
只今の状況を説明しよう。
昼休みの、空き教室。
普段なら誰も寄り付かないそこに、今日は珍しく私を含め6人の生徒が(不本意だが)集まっていた。
そこにはただならぬ雰囲気が漂っており、私は口をつぐみ突っ立っている。
何故かと問われても答えたくはないが(それほど絶望的な状態なのだ)状況を説明するといった以上言わなければならないのだろう。
本当に夢の様な、悪い夢のようである。
今、私の目の前には、
私の目の前には、学園の王子様である麗しい好青年が5人も居るのだ。
え? 羨ましい?
……ふざけないでよー! 私はこんな事1ミリも、1ミクロンも望んでない! 切実に立場を代わって欲しい。
いきなり空き教室に引っ張りだされ、彼等から私に衝撃的なコトバが告げられる。
「小鳥遊鈴奈、光栄に思え。お前は、今日から俺達5人の彼女だ」
「あー、うん、はい彼女ね、彼女彼、女……って、…ええ!? 彼女ぉ!?」
何でこんなことになったか何ぞ、
むしろ心当たりしかない。
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