五人の王子に仕えしは




「……お、俺……、も、うちょっと……鈴奈と、一緒に居たい……」

「……っ!」

「……だめ?」



 「だめ?」じゃないよ何言ってんの、和真君……っ!?

 会話自体が照れ臭くなってきて私もまともに顔が見れない。

 私の顔の熱は、身体にまで移った。
 あ、熱い……!


 和真君なんてとうとう自分の顔を覆ったし。

 ……自分で言ったくせにっ!


 そんな和真君を見ていると、なんだか揺らいじゃう。

 あ、気持ちが揺らぐとかじゃなくてね!? その、サボり云々……とか。

 暫く思案した後、私は小さく口を開いた。


「……ま、まあ、暑いし、ここ、良く風通るし……、い、いーよ?」

「ま、まじで!!?」


 和真君は、ぱっと表情を綻ばせてキラキラとした目でこちらを見る。


「……うん」

「よっしゃああ!!」


 和真君はそう言って、芝生にごろんと寝っ転がった。
 鈴奈も来いよ、なんていう和真君を私は横目で見る。


 あー……、眩しい。




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