五人の王子に仕えしは


「……はあ、ったく、手の掛かるやつだ」


 ん? なんか既視感……?

 身体がふわりと持ち上がり、私は神崎クンの腕の中に居た。

 あ……お姫様抱っこ。


 既視感じゃなくて、それは確固とした過去であった。



「……仕方無ぇ、保健室行くぞ」

「……っえ、! 保健室?」

「何だよ」



 二時間続けて授業に出ないなんて、これこそ不良じゃんか。


「ふふ」

「……何笑ってんだよ、気持ち悪い」

「酷いなあ……」

「……いつもより突っ込みにキレが無いな」



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