五人の王子に仕えしは




 私は、呼んだ。



「……っか、なで」

「……もう一回」

「…か、……奏!」

「……くそっ…!!」


 奏君は、吐き出すようにそう言うと、もう一度私に口付けた。


「ふ、ぁ、んっ…うぅ……っ」


 ぴちゃ、と時折水の音がする。
 身体が甘く痺れて、動けなくなりそうだ。


 私にとって、初めての感覚だった。


「ん、…っく…ぅ……っぷは!」


 息が上がった。
 頭の中がとろんとしている。



 ……これは、熱だから?





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