五人の王子に仕えしは




 もう、純情もへったくれも無い。


 確かにファーストキスを奪われたのはかなり、ショックだった。

 ……でも、こんな奏君、放って置けないよ。


 奏君は、私の声で足を止めてくれた。



「…………」

「ねえ、奏君……」

「…………」

「大丈夫?」

「……大丈夫だ」

「何が大丈夫なの?」


 奏クンは、相変わらず背を向けたまま。


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