五人の王子に仕えしは
私が走りついた場所は西側の女子トイレ。ここならヤツも入ってこれないだろう。
いや、まず追って来ないとは思うが。
個室に入り鍵をしめて、一息つく。
「はぁ」
どうしようか……。これから。私は無事に高校生活を謳歌出来るのだろうか。
……いや悪いのは私だけど!
でもなんか引き寄せられたし…!
なんか危険な雰囲気だったし!
なんて、一人で脳内会議しても意味ない。
もう嫌だ、神崎君、怖すぎ。
あの時の目。
確実に……確実に笑ってなかったよほんとに。
それだけは明瞭だった。