五人の王子に仕えしは
……あ、どうしよう。
とくん、とくんって言ってる。心臓。
大丈夫かな、私。
奏君の言う通り、寝てなきゃだめだな。
カーテンがしゃっと引かれて、奏君の姿が見えなくなる。
「……じゃあな、また、来るから」
ドアの方で、声がした。
待って。
待って、奏君。
行かないで……。
ガラガラ……パタン
「……何考えてんの、私」
私は布団の中にもぐりこんで、顔を隠した。
何考えてんだろ、ほんとに。