五人の王子に仕えしは
授業をやっているのかと思うとどうやら違うらしい。
一人で黙々と作業するその人は……
「柏崎……君?」
一体何を縫っているんだろう。
気になったので被服室に近付き、ガラス窓から中を覗いた。
「……ベスト?」
どうやら柏崎君はなんらかのベストを縫っているらしい。うちの学校のじゃない。
なんだろ、破れたりとかしたのかな……。
暫く覗いていると、柏崎君がふとこちらを見た。
「あっ……」
バチリと視線がぶつかる。