五人の王子に仕えしは



「……で、何があった」
「っか、神崎君が、し、社会の窓で、面白くて…っぐす…怒らせた…ひっく……」
「大体分かった」


 この人は美樹原紅(みきはらくれな)。通称くれちゃん。


 私の中学生からの親友で、かなりかっこいい。好き。
 優しい。好き。
 とにかく好き。



「つまり、神崎を怒らせた、んだよね?」
「ぐすっ……、う、うん……」


 私が涙ながらにそう言うと、くれちゃんは少し考える素振りを見せてから、「どっちもどっちね」と呆れ顔で言った。



 ショックだ。

 くれちゃんの中で私とヤツの位置が対等化されている……!
 まあそうかもしれないけど!




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