五人の王子に仕えしは



 その後くれちゃんと別れて、こわごわ教室に戻ったら神崎クンはどこに行ったのか、既に教室にいなかった。
 神崎クンと私はクラスは一緒だし席は近いし、今いないとしても後でどうせ会うからあまり意味はないけれども。


 好奇の視線は満々と私に降り注がれる。


 い、痛い……。

 特に女子。



「なんであの子なの? 私のが絶対可愛いのに」
「そうよ、私の方が……」
「あんな平凡な容姿して、馴れ馴れしいのよ」
「どうせ媚うったんでしょ?」
「奏様がかわいそうよ……!」

 うわー辛辣ー。

 ひそひそ話しているつもりかもしれないけどね、諸君。

 丸聞こえだよ。

 わざとかと思うくらいはっきりと聞こえるよ。


 私案外ガラスのハートなんだ。それを踏まえていただきたい!




< 18 / 366 >

この作品をシェア

pagetop