五人の王子に仕えしは
その後くれちゃんと別れて、こわごわ教室に戻ったら神崎クンはどこに行ったのか、既に教室にいなかった。
神崎クンと私はクラスは一緒だし席は近いし、今いないとしても後でどうせ会うからあまり意味はないけれども。
好奇の視線は満々と私に降り注がれる。
い、痛い……。
特に女子。
「なんであの子なの? 私のが絶対可愛いのに」
「そうよ、私の方が……」
「あんな平凡な容姿して、馴れ馴れしいのよ」
「どうせ媚うったんでしょ?」
「奏様がかわいそうよ……!」
うわー辛辣ー。
ひそひそ話しているつもりかもしれないけどね、諸君。
丸聞こえだよ。
わざとかと思うくらいはっきりと聞こえるよ。
私案外ガラスのハートなんだ。それを踏まえていただきたい!