五人の王子に仕えしは


 後ろからなんか叫ばれた気もするけど気にしない気にしない。


 きっと気のせいだ!


 今の私は速すぎて視線もおくれないぞ!

 ははは!



 流れていく景色が爽快だ。
 私どうかしちゃったみたい。


 そして、無事に(?)くれちゃんのいる教室の前についた!



「くれちゃーん!」



 ドアを開けていつも通り元気よく叫ぶ。
 そうすればくれちゃんはいつも「はーい」と優しく返事をしてくれるのだ!






 しかし、今日かえってきたのはくれちゃんの優しい声ではなく、焦ったような声だった。


「ちょっ、ばか、鈴奈、後ろ!」


 私は背後に忍び寄る影に、気付かなかった。



「へ? 何がどうし……っ、んーっ! んんんー!」


 呆けた顔をする前に、私は何者かに片手で口と視界を塞がれ引きずられていった。
 な、なに!?


 連行されている時、やけに女子がうるさかった気も、する。

 くれちゃん。
 へるぷみー。


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