五人の王子に仕えしは




 そして、反対の手を顎にあてるようにして春川さんは少しばかり思案する。



「……君には全然似合わない」

「でしょうね」



 私とその美しい花が似合うかっての。

 唇を尖らせてそう言うと、「そう言う意味じゃあないよ」と笑った。



 春川さんは、また反対の花壇の前に行くと、今度は白百合を摘んだ。



 いくら春川さんが美化委員とは言え不安になってきた。

 ぶちぶち(まあ二輪だが)摘んじゃって良いのか?




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