五人の王子に仕えしは



 そして、体勢を立てると、白百合を私に差し出した。


「Je t'aime a croquer.」

「え?」

「その純潔さをね」

「……えっと?」




 今の流暢な外国語は、フランス語かな。

 全く分からなかった。


 春川さんは風雅に笑って、私に押し付ける様に白百合を手渡した。



「とっても似合うよ」


「えっ」



 ストレートなその言葉に身体が硬直する。




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