五人の王子に仕えしは




「ふふ、可愛いね」


「い、いや、そんな」



 恥ずかしくなって目線を下に俯かせる。

 すると、春川さんの長い足が近付いてくるのが分かった。


 わ、わ、何だろう、怖い。



 足がつっかえないようにして後ろに下がると、そこには壁があった。


 あ、ちょっと……っ!



 春川さんはすぐに私に追い付き、私を囲むように壁に手を着いた。


 背の高い春川さんは、私をすっぽりと隠す。




< 207 / 366 >

この作品をシェア

pagetop