五人の王子に仕えしは




「少しからかうと拗ねて、褒めれば否定する」


 耳元で囁かれるその声に、ぞくぞくと身体が疼く。


「君は一体、どうされるのが一番……イイの?」

「……っ!」



 脳に直接響くようなその声に、鼓動が早まった。
 耳が、なんだかアツくなって、それが全身に広がるようなもどかしい不思議な感覚。

 な、なに、これ。


 ぞくってして、ふわりとして、甘い。



 きっと、今私は顔が、身体が赤くなっているだろう。

 自分でも分かるくらい、熱い。





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