五人の王子に仕えしは




 春川さんは、はだけて見えた私の胸元に唇を寄せた。


「っ、んぅ、春川さ……っ!」

「喘ぎ声は、もうちょっと小さくして?」



 膝ががくがくして、倒れそうになる。
 私……私、喘いでるんだ。


 春川さんはそこを軽く吸った。
 小さなリップ音がして、なんだか不思議な気分になる。


 私何やってるんだろう。



「ふふ、痕つけちゃった」

「……えっ!!?」



 私はその言葉にハッとして胸元を見た。

 ……いや、鎖骨の少し下。
 赤い花弁の様な、痕が咲いている。





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