五人の王子に仕えしは
奏君は、あれからも相変わらずである。
保健室での優しい奏君はどこへ行ったのやら、私を罵倒するのが趣味みたいな感じになっているのだ。
「……奏君運動出来るんだね」
「はあ? ったりめーだろバカにしてんのか」
「い、いや、してないけど」
運動出来るんだねって言っただけでバカにしてんのか、って酷くない!?
私はできませんけどなにか!
奏君はクラスの中でも一番に足が速いらしく、クラスメートの推薦であっという間に選抜のアンカーが決まった。