五人の王子に仕えしは
「お、お前、さっき俺と廊下でぶつかったヤツだよな!?」
「へ」
「しかも謝りもせずいきなり走り出すし、こっちなんて見ないでまるで何もなかったかのように無視するし」
「え」
ああ、そう言えば誰かとぶつかったんだっけか。
あれこの人だったんだ。
「おまえ……っ」
私の気の抜けた返事に更に苛立ちが募ってきたらしく、コゲ君は憤慨。
「聞いてんのかよ小鳥遊ぃい!!」
「ええええごめんなさいごめんなさい」
いきなり怒られてしまった。
怖くないけど。寧ろ必死で可愛いけど。
困惑した瞳でコゲ君を見ていると、コゲ君をまあまあとなだめてくれる神様がいた。