五人の王子に仕えしは




「俺、なんかもーそういうんじゃなくてさ、普通にお前と付き合っていきたいから! ほら、平和的に?」


 和真君は大袈裟なジェスチャーを付けて私にそう言った。

 その言葉を一瞬本気で受け止められなくて、表情が固まってしまう。


「え、ま、まじで? ほんとに、そう思ってるの?」


 最近人間不審(笑)気味になっていた私はぎこちなくも思わず聞き返してしまう。
 ほんとは、超嬉しいのに。

「……まじで! っうわ、なんか恥ずかしー!!」



 そう言うと和真君は、痺れを切らしたようにわー、なんてみっともない声をあげて走っていってしまった。
 私を残して。




「ちょ、ちょっとー……」



 なんか、すっごい、すっごい、嬉しいんですけどー……!





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