五人の王子に仕えしは
その様子をぽけーっと見ていると、りお、と呼ばれた優しいパツキンはこちらを見て「ごめんね」と謝ってきた。
律儀だな。美しい。ファンになろ。今からリンチされるけど。
「……じゃあ、軽く自己紹介しとくね」
そう言うとパツキン神様はニコリと笑い話し始めた。
「このツンケンしてるのが篠崎和真(しのざきかずま)。で、僕が春川理将(はるかわりお)。よろしくね」
「よ、よろしく」
よろしく?
そのまま両手でブンブンと握手された。綺麗な手ですね。羨ましいです。
「で、知ってるとは思うけどこの俺様な腹黒が神崎奏(かんざきかなで)」
促される様に横目で神崎クンを見ると少し離れた机に座り、穿つ様に私を見ていた。
つまり必然的に目が合った。
怖かったので0.1秒でそらしました。
「腹黒はお前だろ、理将……」
「何か言ったかな和真」
「…………」
待て春川さんからも今不思議な黒いオーラ見えたけど気のせいかな。
「あと、あっちでiPhoneいじってんのが花折司咲(はなおりつかさ)。その隣でマンガ読んでんのが柏崎蓮(かしわざきれん)…まあ、普通の子なら説明しないでも全員の名前は分かるはずなんだけど、君はどうやら普通の子とは違うようだからね。僕達の顔を見た時点で名前も分からないようだったし」
「あー…、まあ?」
イケメンすぎて知名度高いってか?