五人の王子に仕えしは



「てか、蓮。お前はどーなの」

 奏君がキッと視線と共にそう柏崎君に振る。


「はぁ?」


 柏崎君は心底面倒臭そうに声をあげた。眉間に深い皺。スーパー不機嫌だ。

「好きとか嫌いとかそんな感情すら無いっつの。強いて言うなら鬱陶しい」


 いつもの口調でそう言い、柏崎君は携帯をいじり始めた。

 柏崎君とかわざわざ聞かなくても分かるでしょ! 分かってても改めて言われると大分傷付くんだけど!!

 奏君は満足そうに、というかほっとしたように笑うと、視線を花折君に移して思い切り睨んだ。

 バチバチと音が鳴……っている気がする。怖い。



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