五人の王子に仕えしは




 奏君は満足した様にぺろりと口唇を舐めると、私から離れる。

 ……って、嘘、嘘でしょ!?


 やっと事態を把握して、頭がくらくらとした。


「んだよ、別に良いだろ? ……もう何回もやってるじゃねーか」
「っはぁ!?」


 奏君のびっくり発言に逸早く反応する和真君。当然、その顔は真っ赤である。


 っていうか別に何回もやってないよね……!!?

 否定しようと口を開くが、それは止められてしまった。


「それよりも僕達なんか、既に服を乱してキスマークを付け合った仲だもんねぇ?」

「はあぁああ!!?」

「ま、待ってよ、和真君も勘違いしないで! 別に付け合った訳じゃ……」

「俺なんて……、二人で、一緒に寝たこと……ありますし」

「っお前らぁ! 何勝手に抜け駆けしてんだよっ!!」

 和真君は喚くように言う。

「だから違ぁあう!!」


 私も負けじと声を張った。
 何で皆わざと変な言い回しするの……!!?



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