五人の王子に仕えしは
過度は時に仇となる
〜Episode13〜
過度は時に仇となる
「テンポ合わせてもダメなら……やっぱ歩幅の違いかなあ」
「…………」
今日も朝から私と柏崎君は朝練に励んでいた。いつもより天気が悪いからか、柏崎君もいつも以上に機嫌がよろしくない。
口を開けば「面倒」「だるい」「殴る」……とマイナスワードの数が半端じゃないのだ。
まあいつも似たような感じだけど。
「じゃあもっかい行くよ? ……せー、のっ」
湿っぽい地面を蹴散らすように足を踏み出す。
前よりはいくらかもつ用にはなったが、やはりそう簡単にはいかないものである。
「……わっ!」
今日も私のみ、がっつり転ぶ!