五人の王子に仕えしは



 敗北の悔しさからはあ、と深く溜め息を付くと「おい」と呼び掛けられた。

 声の主はどうやら神崎君みたいだ。


「……何」


 今からお前をリンチする。
とでもいうのか? でも、話した感じ特にパツキ、じゃなくて春川さんは人を殴る感じがしない。
 まあ、あのiPhoneいじってる子(花折君だっけ?)とはまだ話してないけど。

 コゲ君はやりそう……かな、どうだろう……。神崎クンはやるな。柏崎君もやりそう。

 なんて黙想していると、神崎君は私の前まで歩いてきた。
 そして綺麗な口唇の端をあげ、何を言うかと思えばそれまた凄い事をいい放つ。






「小鳥遊鈴奈、光栄に思え。お前は、今日から俺達四人の彼女だ」



「はいリンチはお断りします……って、何だ、うん、はいはい、リンチじゃなくて彼女ね、彼女彼、女……って、…ええ!? 彼女ぉ!?」



 何を言っているのだね君は!





< 28 / 366 >

この作品をシェア

pagetop