五人の王子に仕えしは
「……はぁ、もう、痛いなあ」
すった所を見れば、辛うじて血は出ていないが皮がべろりと剥けて赤くなっており、なかなかに痛々しい。
もう体力がほぼ0だが、よろけるように立ち上がる。
「掛け声声に出してって言ったじゃん」
隣でまた溜め息をついている柏崎君にそう言うと、屁理屈が返ってきた。
「出すとは言ってない」
「でも、出してよ!! やっぱまずはそこからだって!」
「…………」
「あとさ、疲れてるのは解るんだけど無駄に足を地面に擦らすのもやめて?」
「…………、」
「息を合わせなきゃ出来ないんだよ!」