五人の王子に仕えしは



―――――――



 いつも昼に集まる空き教室に行けば、俺の探していたやつはそこにいた。


「……ここにいたんだな」

「……奏か。なんだよ、授業中じゃねーのか」

「それを言うならお前もだろ、蓮」


 そう、俺がわざわざ授業をサボって会いに来たのは他でもない、柏崎蓮である。

 窓枠に腰掛けるようにしている蓮の表情は、なんというか、まあ、いつも以上に機嫌が悪いのが一目で分かる感じだ。






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