五人の王子に仕えしは



 蓮はもう一度静かに笑うと、廊下に向かって歩き出した。



「どこ行くんだ」

「被服室」

「またバイトか?」

「……まあ」


 少し間が気になったが、まあ対したこと無いだろうと思い直す。


 奥まった空き教室なので、蓮が廊下を一人歩く音がはっきり耳に触れる。

 そしてそれが聞こえなくなった頃に、脱力した。


「……はあ」





 あー、つっかれた。







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