五人の王子に仕えしは




 ……多分慣れたんだな。あの状況に。


 未だに嫌がらせはされるし下駄箱も使えないけど、あの五人を特別恨もうとも思わなくなった。

 多分あの五人も、私を陥れるなんて目的忘れているんじゃ無いかと思う。

 多分、だけど。
 多少願望も入ってるけど。


 取り敢えず仲を拗らせたくはないなあ、とか。



「うっわ、何考えてんだ私」
「ほーんと、何考えてるのかな?」
「ひっ!!」


 唐突に横から聞こえた声に驚いて、思わずつんのめって転びそうになった。

 こ、この声は……




< 300 / 366 >

この作品をシェア

pagetop