五人の王子に仕えしは
……多分慣れたんだな。あの状況に。
未だに嫌がらせはされるし下駄箱も使えないけど、あの五人を特別恨もうとも思わなくなった。
多分あの五人も、私を陥れるなんて目的忘れているんじゃ無いかと思う。
多分、だけど。
多少願望も入ってるけど。
取り敢えず仲を拗らせたくはないなあ、とか。
「うっわ、何考えてんだ私」
「ほーんと、何考えてるのかな?」
「ひっ!!」
唐突に横から聞こえた声に驚いて、思わずつんのめって転びそうになった。
こ、この声は……