五人の王子に仕えしは



「り、理将さん……?」
「大正解! ふふ、どこに行くの? 鈴奈ちゃん。体調は?」

 理将さんはにこにこしながら私の一つ上の段にあがった。

「えっと、今からお昼に……、あ、体調はもう大丈夫です!」
「そっか。じゃあ一緒に行こっか」


 その言葉に、また公開処刑されるんじゃないかと思って顔を顰めたが、予想に反して理将さんはいつものお姫様だっこをする気配が全くなく拍子抜けしてしまった。


「どうかした?」
「え、いや……えっと」
「あ、分かった。鈴奈ちゃん僕がお姫様だっこしないから拗ねてるんでしょ」
「いやそれは違います断じて違いますほんと違いますまじで」
「仕方無いなぁ、じゃあするね?」
「違いますってば―――!!」



 理将さんの楽しそうな笑顔が眩しくて逆に嫌です!!!




< 301 / 366 >

この作品をシェア

pagetop