五人の王子に仕えしは
そして保健室に忘れ物をしていた私は、空き教室から一人で保健室に向かっていた。
もう昼休みも終わりに近付いているのでこの辺りは人が少ない。
そんなところで、見知った人影が向かいから歩いてくるのが見えた。
「……あ」
柏崎君だ。
瞬間身体が硬直する。どきんと心臓が悪い意味で跳ねた。
ど、どうしよう! まさかここで会うとか考えてもみなかった……。
取り敢えず現在進行形で柏崎君との距離は縮まり続けているので何かアクションを起こさねば。
なんて考えれば考えるほど何も浮かばない。あーもう誰か助けて!!
「おい」