五人の王子に仕えしは
声の主は柏崎君。思わず辺りを確認するが廊下には誰もいないのでどうやら私に言っているようだ。
そう思って恐る恐る柏崎君を見ればもう目の前まで迫っていたので思わず悲鳴をあげたら凄まじく睨まれたから謝った。
で、一体何のようだろう。また暴言を吐かれるのは御免である。
何? と引き攣った笑みで聞くと、柏崎君はズボンのポケットからおもむろに何かを取り出した
「手、出せ」
「っえ、う、うん?」
虫とかじゃ無いだろうな、なんて警戒しながら手を出す。