五人の王子に仕えしは





「せ、ん、ぱーい………」
「うわ何どうしたの」


 肩でぜえぜえと息をして、後ろにいたのは花折君だった。
 息を整えるように膝に両手をついていると思ったら、おもむろにその手は私の腕を掴む。


「っはぁ、はぁ……取り敢えず、きて、くださいっ」

 真剣な瞳でそう言われるが私足痛い。

「何やだ走りたくない――――!!」

 なんていう私の悲痛な叫びは無視され、ズルズルとゴールへ引きずられていった。



 え、まさか借り物競争?






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