五人の王子に仕えしは




「先輩、っ、ちゃんと……走って、くださいよ……っ」
「やだ足痛い無理無理走れない」
「……もう、先輩が……悪いんですから、ね!」


 なにがだ。
 拗ねたように花折君は言い、首を傾げる間も無く私は花折君に例のお姫様抱っこという名の公開処刑をされた。


「ああああああそれはやめて降ろして――――――!」


 「ぎゃああああああ」っていう女子生徒……もとい花折君ファンの子達の悲鳴も聞こえた。
 これはやばい。リンチいじめフラグ。もうされてるけど。


「ははは花折君降ろしてファンが怖い」
「……だーめ。先輩が、ちゃんと走らないから……お仕置き」


 そう言って花折君は、珍しく無邪気な笑みを浮かべた。



 あーもう、誰とかは問わず笑顔は反則だ!!





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