五人の王子に仕えしは
「じゃ、私もう行……」
くね。って言おうとしたのに。
がしりと私の腕は奏君に捕まえられた。
「鈴奈」
「ん、どうしたの……って、わっ!」
いきなり強く腕を引っ張られ、私はひやりとした壁に押し付けられる。
え、え、これって俗に言う……壁ドン!? なんでいきなりこうなったの!?
私の足の間に奏君の足が入って、逃げられない。
近くで見ると改めて端正な顔だなぁと思う。芸能界にいても上位レベルだろうなぁ……。ってそんな事考えてる場合じゃ無い!
「か、奏君いきなりどうしたの!」
「顔、赤いな」
「あ、赤いってそりゃこんな事されたら誰だって……っ!」
「可愛い」
「えっ!!?」
どうしたの奏君―――!?