五人の王子に仕えしは




そう自問自答をしていると、花折君はポケットに入れていた手を出しておもむろに私の顔に手を伸ばして来た。


え、なに!? 咄嗟に阻止しようとしたが遅かった。そのままなにをされるかと思いきや、ぶにっと頬をつねられる。


しかも、わりと力強いしつままれてる面積狭くてめちゃくちゃ痛い!!!



「いーひゃーいー! なに!?」
「俺も……あと1年、早くうまれたかった」
「へ!?」
「奏先輩たちは皆……ずるい、です」



そう言ってぐにぐに私の頬を引っ張る。


花折君はある種の疎外感を感じていたのかもしれない。一人だけ1年で、そりゃなんとなく寂しいのも分かる。体育クラスだっておかげで一人だけ別だもの。



でもね、八つ当たりは良くない。痛いこと極まりない!




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