五人の王子に仕えしは





あまりに痛かったので必死に花折君の手を引き剥がした。


先ほどまでつねられていた頬はひりひりとしていて、きっと刺激を受け赤くなっていることだろう。
もーほんと容赦ない!

そんな可哀想な頬をいたわる様にさすっていると、花折君がすっと私の手首に触れた。

正確には、手首に飾られたブレスレットに。


そう、柏崎くんがくれた、例のブレスレットである。


「これ……、前までなかった」
「うん。もらったの! 可愛いでしょ」


今日は絶対つけようって決めていたのだ。きらきらと太陽に照らされて光るそれは本当に綺麗である。






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