五人の王子に仕えしは




「え、えと、私は花折君のこと、あの五人の中ではわりと、あの、親しみやすいほうだよ!!」



とっさに紡いだ言葉。まあ間違いではない。花折君は最初のイメージと比べると全然話しやすい。可愛いし。


私がそういうと、花折君は少し照れ臭そうに俯いた。可愛すぎる。図体は私より全然大きいのになんでこんな可愛い?



「……好きな人……に、そーゆうこと言われると、やばい」



小さくポツポツと言葉を紡いだ花折君。その言葉を聞いて私は全身に一気に熱い血が巡る様な思いがして、そのまま硬直する。

……好きな人。好きな、人?
いや、確かに花折君は私のこと気に入ってるとかもらうとか際どい発言はたくさんしてたけどさ、いやまさかとは思うけど、いや、勘違いだよね、これ。好きって、もしかして、そういう、好き?





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