五人の王子に仕えしは
「じゃ、なんで……ブレスレットとか、あげてるんですか? ……蓮さんは…いつも……しないじゃん、こーゆうこと」
少し棘のあるその声音に少し背筋が伸びる。
花折君、それは仲直りの証みたいなもので……と私が言いたかったが空気を読んで泣く泣く口をつぐんだ。
「別に。ただこいつは他のやつとは違うって思っただけ」
「柏崎君!?」
なんでそうやって意味深発言するの!?
ほらもう花折君の眼光が強くなった怒ってる怒ってる!
「……そんなの、一緒…じゃないですか」
「ちげえよ。こんなやつにミリも恋愛感情湧かねえから」
おいこんなやつってなんだこんなやつって。呆れたように言う柏崎くんにブロークンハート。
これから力を合わせて戦うというのに……涙がちょちょぎれますよ。
「ふぅん……まあ、いーですけど」
花折君はそう言い残して、今度こそ去って行った。そろそろリレーも終わるので、女子が来るとまずいと思ったのだろう。
そう、リレーが終わったら、二人三脚だ。