五人の王子に仕えしは
「ぁ、か、なでく……んんっ」
「……んっ、ちょっと黙ってろ」
再び重ねられたと思えば、隙を見て奏君の舌が口内に侵入してきた。
抵抗しようと胸を押そうとするも、手首は固定されている。
なに、なにこれ……、こんなの知らない……っ。
逃げようとした舌は上手く絡め取られて、混じり合う様にして甘く溶けて行く。歯列をなぞられ、舌を吸われて、足に力が入らない。
身体がびりびりと痺れはじめた。
奏君の声、匂い、そしてキスに支配されて、頭がおかしくなりそうだ。
「ん、ん……っぁ」
呼吸をしようと必死な自分の声が鼻にかかって、甘い声になる。
自分の声じゃないみたいで、恥ずかしくなる。
どうしよう、助けて、私が、私じゃなくなる!