五人の王子に仕えしは
「奏様、体育の後も美しい……!」
「髪の乱れがセクシーで堪らない……」
「はは、ありがとう。君たちも可愛いよ」
「「「キャーーーーッ!!」」」
うるせえうるせえ、なにが君たちも可愛いよ、だよ。本当はそんなこと一ミリも思ってないくせにさ!
この前奏君に、「なんで猫被ってるの?」って聞いたら、「最初はなんとなく有利だと思ってやってたけど、今はもはや癖」とか言ってた。
とかいって女子にちやほやされんの好きなだけなんじゃないのー?って言ったら(かなり強く)ぶっ叩かれたので、もう言わない。
うるさいなぁ、と思いつつそちらの方を見ると、奏君とばちりと目が合う。
やばい、と思った時には、奏君がその美貌を歪めてにやりと笑っていた。
うわ絶対勘違いされた、言っとくけど嫉妬とかじゃないから調子乗らないでね?