五人の王子に仕えしは



 神崎クンの甘く痺れるフェロモンのような香りに包まれながら、なんとか身動きを取ろうと身をよじったのだけど、神崎クンが対抗したのかなんだか知らないが更に強く抱き寄せて来たので意味をなすどころかヤツの行動を助長した。

「……か、神崎クンあの、な、なんでこんなコトヲ」
「ん? 可愛いからだよ」
「……っ!」

 そしてこの不可解な言動!

 自分の中には踏み込ませないくせにいつも無駄に女子を口説こうとするのこの人。
 ほんと嫌な趣味だよね!

 どーせ、どーせどの子にも可愛い可愛いほざいているのだろう。


 ……そう分かっているのだが、更に私の顔は赤く染まった。
 鼓動が速まる。触れられている腰と太股から、全身が痺れていくようだった。






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